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手続きの種類

法律を作るというのは国会において行われていることではありますが、その方法に大きく分けて3種類の手続きが存在していることはあまり知られていません。現在最も多く行われているのは時の内閣が草案を提出する内閣法案と呼ばれるものです。これは官僚が作成した法案を国会の場で承認を取るという種類のものであり、限られた時間で多くの法改正を行うために行われる手法です。
他にも国会議員が法案を作り、それを国会の場で議論をして制定する議員立法と呼ばれる法律の作り方があります。かつてはこの方法が多かったのですが、最近では少なくなる傾向にあります。与党と野党の中で共同で法案を作成して世の中に出していきたいという法律を作る場合に選択される方法であると言えるでしょう。そして最後に衆議院と参議院に委員会を設置して、それぞれの委員長名で提出される委員会提出法案が存在しています。
これらの3種類の法律の作り方を使い分けで現在の政治家は国民生活に直接かかわる問題の対応を進めているものであると言えます。この仕組みは日本と言う国が出来てから少しずつ姿を変えてきてはいますが、国会において法案を審議し採択するという原則は守られています。

法律を制定する手続き

わが国では国会が唯一の立法機関として憲法において規定されているため、あらゆる法律は国会の議決を経ることになりますが、これには大きく内閣提出のものと、議員発議のものとがあります。
一般的な内閣提出の場合の法律の制定手続きですが、まずはその法律の所管省庁において原案が作成された上で、関係省庁との意見調整などが行われます。国民にとっての利害が大きな法律については、公聴会などを開いて意見を採り入れるといったこともあります。こうして調整された原案は、内閣法制局に送られ、憲法や他の法律との整合性が図られているかどうか、条文そのものが適切であるかなどが審査され、ここをパスすれば閣議での決定を経た後、国会に上程されることになります。
国会の審議は、衆議院または参議院の議長が、その法律案の内容にふさわしい委員会にまず付託をして、ここで審議を尽くした後、本会議の議決を経るという手順になります。国会には衆議院・参議院の両院があるため、同じことを他の議院でも行います。こうして法律案は、原則として衆議院・参議院の両院で可決したときに、法律として制定されたことになります。
制定後の法律は、議長から内閣を経由して、天皇陛下に奏上され、日本国憲法にもとづく国事行為としての公布が行われます。最終的に一般国民がその内容を知るのは、法律が官報に掲載されたときとなります。

日本国憲法編

日本国憲法は、1946年11月3日に公布され、翌年5月3日から施行されました。
現在国内で施行されているすべての法律の根幹をなしており、憲法の内容に反するいかなる法律も制定することはできません。1945年8月15日にポツダム宣言を受諾後に制定され、「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」が定められており、またさまざまな特徴的な条文を含んでいます。
この憲法の条文の中で、特徴のある条文としては、平和主義について定めた第9条、参政権について定めた第15条、生存権を定めた第25条のほか、憲法改正の手順について定めた第96条などがありますが、前文と全部で103の条文から成り立っています。
憲法の改正手続きについては、条文として厳格な手順が定められています。衆・参両院の国会の議決を得たのちに、国民投票に図られ、その過半数の賛成を得た時に、憲法改正を実行することができます。
すべての日本国民が健康で文化的な生活を送れるよう、また第二次世界大戦の悲劇を二度と繰り返さないという思いを込めて制定された憲法だからこそ、その条文を変更する手続きも、厳密かつ慎重な手続きによることが定められているものであるといえるでしょう。

大日本国憲法編

現行の日本国憲法が施行されるまでの間、日本の法律の根幹をなしていた大日本国憲法は1889年2月11日に公布され、翌年11月29日から施行されました。日本国憲法が施行された1947年5月3日までの約58年の間に一度もその内容が改正されることはありませんでした。近代立憲主義に基づいて制定されており、明治憲法あるいは帝国憲法と呼ばれることもあります。
現行の日本国憲法が国民により制定・公布された「民定憲法」であるのに対し、明治天皇が制定して国民に与える「欽定憲法」という形をとり、日本で初めての近代憲法として施行されました。
その内容はさまざまな点において、現行の日本国憲法とは異なっていますが、現在の憲法が「国民主権」をうたっているのに対して、「天皇主権」が定められていました。また結社の自由や言論の自由なども保障されていましたが、他の法律などにより制限を加えることが可能な内容であり、そのため国民の自由はさまざまな場面で制限されていました。
この憲法のもとで第二次世界大戦への参戦が決定され、その結果として国民や国土に大きな被害が生じたことを顧みて、戦後は憲法の内容が一新され、新しい憲法が施行されました。

意義

日本に限らず、法理の意義は、予測可能性を担保し、人々が自由に行動出来るようにする点などがあります。多種多様な価値観の人が同じ国や地域に共生する為には、予め、して良い事としてはいけない事を定めておくことで予測可能性を担保することが出来ます。分かりやすい例で言えば、日本では少ないと言え、車内で有毒物質を蒔く集団が、「これが日本をより良くする為には必要だ」などと言って無罪になってしまうのでは、人々は安心して電車を利用することが出来なくなってしまいます。こういった、予測可能性を担保する機能が特に高いのは刑事系の法律ですが、民事でも企業間の取引や個人の契約において、法律によって納得して契約等を行えるというメリットがあります。法理の世界では、自然法と行政法という分類をすることがあります。自然法というのは、人を殺めてはいけない、盗みを働いてはいけない、といった普遍的な法律で、多くの地域や時代で共有されています。これに対して、行政法というのは、その土地や時によって、多数派がより良い生活を送れると考えて制定するもので、条例なども含まれます。例としては、一つの自治体ではある物が「燃えるゴミ」とされているのに、隣の市町村では同じ物が「燃えないゴミ」「燃やさないゴミ」などとされているような場合です。いずれにしても、法律の予測可能性を担保するという機能を考えると、住む場所で気になる部分については調べとくと良いでしょう。

日本における法律

日本における法律は、六法と呼ばれているものを中心に構成されている、と言ってもいいでしょう。

このために、法律を専門に勉強しようとするならば、六法全書という日本の法律を網羅した法令集が必帯のもの、となっているのです。

この六法とは、基本法である憲法を土台として、刑事法と民事法からなる法体系の骨格となる六つの法のことを言っているわけで、憲法、刑法、民法、商法に、それぞれ刑事、民事の訴訟法である刑事訴訟法、民事訴訟法を加えたものから成っているわけです。

法のカテゴリーとしては、この刑事法、民事法というもの以外にも、公法や国際法といったものもあるのですが、それでもこの刑事法と民事法という二つの体系が、日本の法律の骨格を成している二つの法体系であることに変りはありません。

そして、こうした法体系の上に、主たる法の関連法や特別法といったものが設けられていて、そうした膨大な数に昇る法律によって、日本の法治体制というものが運営されているのです。

この日本の法律は、立法府である国会での審議を経て成立し公布されれば、内閣を頂点とする行政機関によってこれが運用され、憲法上での問題や訴訟が発生した際には、司法府である裁判所がその審査を行い、裁判を行うというようになっているわけです。

実質的意味

法律には、形質的な意味と実質的な意味があります。前者は、議会の議決よって制定される特徴を持つ法律を、憲法や命令といった他の法形式と区別するときに意味を持ちます。たとえば、「形式的な意味において、憲法は法律に優先する」といった具合に使います。つまり、法律の内容についてではなく、国法の形式について注目した概念です。一方、後者の法律の実質的な意味を端的に言えば、その法の内容について着目した概念である、と言うことができます。そしてこの実質的意味は、時代により変遷してきた経緯があります。
絶対君主制の時代には、君主が絶対的な権力を握り、国民に関する事柄を自由に決定することができました。しかし、革命により絶対君主制が倒されると、立憲君主制が生まれます。この時代は君主の権力が強かったため、すべての権力を奪うことはできませんでしたが、国民の権利と義務を決定する権利は議会が得ることができました。したがって、この時代の法律の実質的な意味は、国民の権利を制限し義務を与える法規範であると、理解されていました。
そして、民主主義が発展した現代においては、国民に対する権利と義務だけではなく、それ以外の事柄や、果ては国家の仕組みの決定権まで国民の手に委ねられています。その結果、国民の代表機関である議会において、国民の権利と義務以外のより広範な事柄まで決定できるようになりました。したがって、現代における法律の実質的な意味は、不特定多数の人々の広範な事柄に対して適用される、一般的・抽象的な法規範であると、解することができます。

形式的意味

法律には「形式的意味」と「実質的な意味」が存在する、という言い方がされることがありますが、それはどういうことなのでしょうか。憲法を例にとってみましょう。
形式的な意味における憲法とは、表記によって憲法であることが示されたものです。内容はどうであっても、憲法という名称を持つ成文法そのものを指します。一方、実質的な意味の憲法とは、国家統治の基本となる法規範としての「固有の意味の憲法」と、国民の自由を保証するために国家権力に制限を加える「立憲的な意味の憲法」という二つの面を持っています。
ですから、日本国憲法は形式的な憲法であると同時に、実質的な憲法でもあるわけです。そんなことは当然ではないか、という方もいるかもしれませんが、形式的な憲法を持たない国もあるのです。それはイギリスです。成文憲法が当然のことと考えがちな日本人にとって、理解が難しい状況かもしれません。しかし、イギリスの「憲法」は、国家の性格を規定するあらゆる出来事の集合体であるとみなされています。この中には議会決議、裁判の判例、国際条約や慣習、世界史で習った13世紀の「マグナ・カルタ」までも含まれるとされます。ただ、「憲法がない」というのは適切ではなく、「憲法」と名付けられた法が存在しない、と言ったほうが良いでしょう。

法律の一般的意義

法律の一般的意義とは社会の秩序を守るということです。そのためこの規範を守ることは国民の義務であり、もし違反したときには罰則を受けることになり、裁判ではこの規範に則って裁かれることになります。
普段の生活ではあまり意識をしませんが、この社会的規範が無ければ皆が私利私欲に走り社会は機能しなくなってしまいます。そのため非常に重要なルールですが、このルールは憲法に従って作られていますので効力は憲法より低いということになります。
この規範は日本独自のものが制定されていますが、世界各国でもそれぞれの国にあった規範が定められています。その国の文化、歴史、考え方で違いはありますが、社会秩序の維持という一般的な意義は同じです。
これらのルールは時代とともに変えていく必要も有ります。過去には無かったインターネットによる犯罪や新手の詐欺行為などに対応するルール作りが求められます。しかし常に悪質な行為の方が先を行くことになりますので、ルール作りが追いついていないのが現状です。
このように社会の秩序を守るために必要な規範ですが、あまり親や学校でこの規範について教わるということありません。即ち極々一般常識に照らし合わせて作られていますので、規範に縛られているなどの窮屈感は感じません。そもそも国民生活で不都合が感じられてしまいましたら、この規範の持つ一般的な意義に反してしまうことになります。