形式的意味

法律には「形式的意味」と「実質的な意味」が存在する、という言い方がされることがありますが、それはどういうことなのでしょうか。憲法を例にとってみましょう。
形式的な意味における憲法とは、表記によって憲法であることが示されたものです。内容はどうであっても、憲法という名称を持つ成文法そのものを指します。一方、実質的な意味の憲法とは、国家統治の基本となる法規範としての「固有の意味の憲法」と、国民の自由を保証するために国家権力に制限を加える「立憲的な意味の憲法」という二つの面を持っています。
ですから、日本国憲法は形式的な憲法であると同時に、実質的な憲法でもあるわけです。そんなことは当然ではないか、という方もいるかもしれませんが、形式的な憲法を持たない国もあるのです。それはイギリスです。成文憲法が当然のことと考えがちな日本人にとって、理解が難しい状況かもしれません。しかし、イギリスの「憲法」は、国家の性格を規定するあらゆる出来事の集合体であるとみなされています。この中には議会決議、裁判の判例、国際条約や慣習、世界史で習った13世紀の「マグナ・カルタ」までも含まれるとされます。ただ、「憲法がない」というのは適切ではなく、「憲法」と名付けられた法が存在しない、と言ったほうが良いでしょう。

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