実質的意味

法律には、形質的な意味と実質的な意味があります。前者は、議会の議決よって制定される特徴を持つ法律を、憲法や命令といった他の法形式と区別するときに意味を持ちます。たとえば、「形式的な意味において、憲法は法律に優先する」といった具合に使います。つまり、法律の内容についてではなく、国法の形式について注目した概念です。一方、後者の法律の実質的な意味を端的に言えば、その法の内容について着目した概念である、と言うことができます。そしてこの実質的意味は、時代により変遷してきた経緯があります。
絶対君主制の時代には、君主が絶対的な権力を握り、国民に関する事柄を自由に決定することができました。しかし、革命により絶対君主制が倒されると、立憲君主制が生まれます。この時代は君主の権力が強かったため、すべての権力を奪うことはできませんでしたが、国民の権利と義務を決定する権利は議会が得ることができました。したがって、この時代の法律の実質的な意味は、国民の権利を制限し義務を与える法規範であると、理解されていました。
そして、民主主義が発展した現代においては、国民に対する権利と義務だけではなく、それ以外の事柄や、果ては国家の仕組みの決定権まで国民の手に委ねられています。その結果、国民の代表機関である議会において、国民の権利と義務以外のより広範な事柄まで決定できるようになりました。したがって、現代における法律の実質的な意味は、不特定多数の人々の広範な事柄に対して適用される、一般的・抽象的な法規範であると、解することができます。

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